殻割代行レポート(9900K)

今回のお客様は9900Kでした。

はじめに

  • マザーボードへ搭載しBIOS起動テスト
  • VIDを記録したSS取得
  • OSを起動し、Prime95にて動作及び負荷テストを実施

問題なく完了し次の工程へ

高さ確認

殻割準備

当ショップでは本来必要ありませんが、ネジ締め時にも3か所同じトルクで締め付けを行っています。

殻割実行

今回も無事終了。直接あたる金属部分は使用するたびに摩耗しますのである程度の判断にて部品交換をしています。

STIM(ハンダ)の除去

マスキングテープを使って固定し、STIMの除去準備をします。

除去完了

ゴムシーリングの除去・及び基板上のクリーニング

ゴムシーリングを除去した後、接点部分の絶縁処理を行います。

ソルダーレジスト補修剤を使用しました。

再圧着準備

Relidキットを使って再圧着を行います。

CPUダイ側にも液体金属を塗布し、準備完了です。

今回も熊グリスを使いました。

再圧着

ここの大ボルトのネジの締め付け力をよく問い合わせされます。実際にトルクが決まっているわけではありません。サイドからよく見てスパイダー部分が反らない程度で構わないと思います。

当ショップの場合はブラックシーラーやULTRABLACKを少し多めにつけることではみ出てくる部分を見極めて強さを決めています。

※はみ出たシーリング部分はあとで簡単に除去できます。

24時間待ってからRelidを外して仕上げ

なるべく長い時間をおいてから作業を進めていくことが確実な殻割の成功となります。乾燥時間を24時間置いて、Relidを外し、再度CopperIHS部分のクリーニングを行います。

完成

これで殻割は完成です。

この後、マザーボードへ搭載し初めに行ったテストを行います

  • 高さの確認
  • BIOSでの起動確認
  • OSでの起動確認
  • 負荷テスト、Intel製デフォルト状態との同設定での温度比較

ここでテストするときはデフォルト状態で使っていた設定を使用します。

殻割前と後で違う設定ですと意味がありませんのは周知のとおりでございます。

この時点で納得ができない場合、再度殻割してもう一度始めからやり直したりする場合もございます。

殻割代行レポート(9700K)

殻割代行のリポートを行います。今回の殻割は9700K

高さの確認

高さの確認をして記録

今回はCopperIHSを装着するのでCopperIHS側の準備を先に行います

銅IHSの研磨を行う

9700Kの殻割

ROCKIT89 9TH GENで殻割実施

残ったSTIMの除去

ダイの周りをマスキング
QuickSilverをたっぷり塗布

30分放置します

余分な液体金属をふき取る

絶縁処理

ソルダーレジスト補修剤で絶縁処理

ポリミロイドテープでマスキングをしている方をたまにみますが、液体金属は名前通り液体です、上からでなく、隙間から入ってくる可能性もありますので注意してください。

CopperIHSの装着準備

材料を準備

CopperIHSの裏側の処理

接触面以外をマスキングして液体金属を塗布

コーキング剤処理

ブラックシーラーをIHSのふちに沿って塗布

RelidキットとBlackBodyを使って再圧着

高さ確認

純正時と同じようになるように、当ショップでは細かく計測しますが、CopperIHSは若干高いのが仕様です(0.05mm程度)

乾いて硬化するのに24時間

ReLidを取り外した後、再びマスキングテープを貼り、軽く磨きを入れます。

マザーボードに取付し、動作テストを兼ねて負荷ソフトを使ったテストをします

当ショップでは殻割の代行及び殻割済みCPUの販売も行っております

殻割代行を依頼する

十分に温度が下がりました。

当ショップではご依頼をお待ちしております。

またご自身で殻割、IHS装着される方も歓迎します

液体金属とCPUクーラー

前回までCopperでできていると思われる水冷ブロックなどを検証しておりましたが、素材がわかりにくいCPUクーラー、空冷も含めて検証を行いました。

実際にIHSに接触する部分に液体金属を塗って変化が起きるかを検証しました。

検証したクーラー

  • Intel純正のリテールクーラー
  • 虎徹ヒートパイプ式サイドフロー空冷クーラー
  • Bykskiの水冷ブロック

検証した液体金属

  • Thermal Grizzly Conductonaut TG-C-001-R
  • Cool Laboratory Liquid pro
  • ROCKIT COOL Quick silver solder remover

塗布直後の画像

虎徹(写真右)Bykski1151用ブロック(写真左上)Intel純正リテール(写真左下) それぞれ、左側が熊グリス、右側がLiquidPro、真ん中上がQuickSilver

どれも塗布直後は変化はないようですが、Intel純正リテールはすぐに黒色化しだしました。

念のため当ショップ販売中の9th gen. direct to die frame にも塗布

およそ24時間後の画像ですが、Intel純正クーラーにのみ大きく変化がありました。

液体金属やガリウム配合のものは画像のようにおそらくアルミを溶かすので、リテールなどには使用してはいけませんね。

更に時間経過後

フィン部分の付け根が弱いのか付着した液体金属により、完全に抜けました。

CPUと接触する部分に、FlitzPolishにて研磨してみましたが、綺麗にはならず、フィン部分につかないようにしても再利用は無理だと思います。

量的には米粒半分くらいでこの程度まで溶解してしまいます。

特に材質が不明な場合は、組み込んだPC内で破損の可能性があるため、よく調べる必要があります。

次は48時間後のDirect to die frame の様子

金属付着面にFlitzpolishを塗布して研磨しましたところ、綺麗に取れました。商品の性質上この場所に付着する可能性は極めて高いため、間違って塗布してもすぐには溶解しないことがわかりました。

続いて、48時間後のBykskiの水冷ブロック

見た目にはまったく変化はありません。これも付着した液体金属を除去してFlitzpolishで研磨します。

うっすらと後が残っていますが、溶けているほどでもなく、もともとあった筋状のヘアラインのような傷はそのままなので色落ちした程度ということで問題ないと思います。

使い古した 虎徹の経過

こちらも見た目にはまったく問題がなさそうです。同じようにFlitzpolishで研磨しました。

元通りになりました。安い空冷クーラーでも銅製ならばまったく問題なさそうですね。ダイフレームによるダイ直冷と空冷クーラーというのも安価で良いのではないでしょうか。

EKの水冷ブロックは液体金属に反応するか

はじめに

CPUを殻割し、IHSとダイの間に液体金属を使う手法はメジャーになってきましたが、クーラーとCPUの間はクーラー側が液体金属に反応するかどうか不明で、またCPU側も表面に液体金属を塗ることで外した後に表面研磨による印刷面の剝れなどを気にして、通常のグリスを使用する場合が多いのですが、今回は水冷ブロックが液体金属に影響を及ぼすかどうかテストしました。

液体ブロックを外してみたところ

あらかじめ水冷ブロックに液体金属を塗布したあと、CPUに装着しストレステストを行った後、外してみました。

状態を見る限り綺麗な状態を保たれていました。数日経過なので確実とは言えませんが、現状では影響は出ていないと思われます。

液体金属部分をふき取ってみる

液体金属部分をFlitzPolishを少量塗布しふき取るようにしました。

綺麗に艶が出て元に戻りました。銅製の場合はコーティングに影響も出る場合がありますが、この状態であると再利用もできると思います。

IHSとダイの間に液体金属を塗布して温度低下をさせる例は多くありますが、水冷ブロックの素材がはっきりしない場合もあるので、IHS間と水冷ブロックに液体金属を塗布する例はそんなに多くありません。

グリスで済ます方も多いと思われますが、タレや溶けがなければ同じように液体金属を塗布したほうが冷却能力は向上しますので検討中の方はいると思います。今回は実験的にどうなるか確認の意味もこめてテストしました。

9900K 5000MhzOCレポート

ASROCK Z390TAICHIによるOC検証

TAICHI動画 Webサイト

TAICHIを使ってDirectToDieFrameにて検証

今回は水冷ですが、IHSを使用せずダイ直冷にします。
そのため、カバーとなるフレームをROCKITCOOLが製作した
9TH GEN Direct to Die flameを使用しました

冷却パーツの取付 を行う

今回はEK Supremacy MX-Intelを使用しました。
サイズが小さめで周りのコンデンサ類には被さることがない作り

開封したばかりのEK製水冷ブロック

冷却配管周りの取付

仮組を行い試運転を行い、動作確認

PC構成 の内容

  • CPU Intel  9900K
  • Batch# : L830F063
  • MB ASROCK Z390 TAICHI
  • MEM XPG SPECTRIX D80 RGB
  • SSD 760p SSDPEKKW256G8XT
  • 電源 CORSAIR 1000W CP-9020094-JP
  • 冷却 EK supremacy-mx 360ラジエター
  • ケース まな板

冷却構成

  • 水冷ブロック EK Spremacy-MX アクリル
  • ラジエター BlackIce360
  • リザーバー 汎用小型タンク
  • ポンプ ラングDDC
  • フィッティング FreezMOD(China)
  • TUBE ホームセンター

ストレステスト・ベンチ結果

Prime95 Version 29.4 build 7 を使用

  • テスト時間:1時間
  • 室温:19℃ 時刻深夜
  • CPU 5000MHz(100Mhz*50)
  • Vocre 1.344(設定値:1.35V)
  • MEM 4133MHz(19-19-19-39 2T)
  • 温度変化 MAX76℃-69℃ MIN26-27℃
  • XMP メモリに合わせたXMP値でAUTO
  • その他設定など VcoreにMANUAL値を入れた以外はdefault
Prime95 1Hの結果

ASUSのZ390-Fでテストした時は360*3のラジエター等で冷却していました。

電圧も同じ1.35Vですが実測値も同じですが、30分程度でBSODが発生していました。ASROCKのマザーがここまで安定しているということに素直に喜べます。
1H安定した動作をしました。

熱源の温度変化

温度変化はあまりなく、温度自体も低めで推移しています。H310のときはVRM近くのコンデンサがあっという間に80℃近くになっていたことから考えるとファン冷却も行わず60℃以下で推移していることから常用が見えてきます。

ベンチマーク結果

■CINEBENCH R15

  • OpenGL 199.22fps
  • Ref.match 98%
  • CPU 2129cb
  • CPU(Single Score 218cb
  • MP Ratio 9.77x

このマザーにはちょっと前に話題になった例のグラボというビデオカードを搭載してみました。

  • RX570 1枚
  • RX470 2枚

これらの3枚を載せてCFができるか試した結果可能でした。GPU-Z上に3GPUと表示されています。AMDのユーティリティー上からCFを実行しました。
BIOSをRX570は最新のものを、RX470にはRX580用のものを用いました。

■TimeSpy

3枚でGTX1080程度でしょうか。CPUはしっかり5000MHzのスコアが出ています。今回のテスト及びベンチにおきましては

今回はASROCK JAPANさんより貴重なマザーボードを貸与していただきました。ありがとうございました。