殻割代行レポート(9700K)

殻割代行のリポートを行います。今回の殻割は9700K

高さの確認

高さの確認をして記録

今回はCopperIHSを装着するのでCopperIHS側の準備を先に行います

銅IHSの研磨を行う

9700Kの殻割

ROCKIT89 9TH GENで殻割実施

残ったSTIMの除去

ダイの周りをマスキング
QuickSilverをたっぷり塗布

30分放置します

余分な液体金属をふき取る

絶縁処理

ソルダーレジスト補修剤で絶縁処理

ポリミロイドテープでマスキングをしている方をたまにみますが、液体金属は名前通り液体です、上からでなく、隙間から入ってくる可能性もありますので注意してください。

CopperIHSの装着準備

材料を準備

CopperIHSの裏側の処理

接触面以外をマスキングして液体金属を塗布

コーキング剤処理

ブラックシーラーをIHSのふちに沿って塗布

RelidキットとBlackBodyを使って再圧着

高さ確認

純正時と同じようになるように、当ショップでは細かく計測しますが、CopperIHSは若干高いのが仕様です(0.05mm程度)

乾いて硬化するのに24時間

ReLidを取り外した後、再びマスキングテープを貼り、軽く磨きを入れます。

マザーボードに取付し、動作テストを兼ねて負荷ソフトを使ったテストをします

当ショップでは殻割の代行及び殻割済みCPUの販売も行っております

殻割代行を依頼する

十分に温度が下がりました。

当ショップではご依頼をお待ちしております。

またご自身で殻割、IHS装着される方も歓迎します

液体金属とCPUクーラー

前回までCopperでできていると思われる水冷ブロックなどを検証しておりましたが、素材がわかりにくいCPUクーラー、空冷も含めて検証を行いました。

実際にIHSに接触する部分に液体金属を塗って変化が起きるかを検証しました。

検証したクーラー

  • Intel純正のリテールクーラー
  • 虎徹ヒートパイプ式サイドフロー空冷クーラー
  • Bykskiの水冷ブロック

検証した液体金属

  • Thermal Grizzly Conductonaut TG-C-001-R
  • Cool Laboratory Liquid pro
  • ROCKIT COOL Quick silver solder remover

塗布直後の画像

虎徹(写真右)Bykski1151用ブロック(写真左上)Intel純正リテール(写真左下) それぞれ、左側が熊グリス、右側がLiquidPro、真ん中上がQuickSilver

どれも塗布直後は変化はないようですが、Intel純正リテールはすぐに黒色化しだしました。

念のため当ショップ販売中の9th gen. direct to die frame にも塗布

およそ24時間後の画像ですが、Intel純正クーラーにのみ大きく変化がありました。

液体金属やガリウム配合のものは画像のようにおそらくアルミを溶かすので、リテールなどには使用してはいけませんね。

更に時間経過後

フィン部分の付け根が弱いのか付着した液体金属により、完全に抜けました。

CPUと接触する部分に、FlitzPolishにて研磨してみましたが、綺麗にはならず、フィン部分につかないようにしても再利用は無理だと思います。

量的には米粒半分くらいでこの程度まで溶解してしまいます。

特に材質が不明な場合は、組み込んだPC内で破損の可能性があるため、よく調べる必要があります。

次は48時間後のDirect to die frame の様子

金属付着面にFlitzpolishを塗布して研磨しましたところ、綺麗に取れました。商品の性質上この場所に付着する可能性は極めて高いため、間違って塗布してもすぐには溶解しないことがわかりました。

続いて、48時間後のBykskiの水冷ブロック

見た目にはまったく変化はありません。これも付着した液体金属を除去してFlitzpolishで研磨します。

うっすらと後が残っていますが、溶けているほどでもなく、もともとあった筋状のヘアラインのような傷はそのままなので色落ちした程度ということで問題ないと思います。

使い古した 虎徹の経過

こちらも見た目にはまったく問題がなさそうです。同じようにFlitzpolishで研磨しました。

元通りになりました。安い空冷クーラーでも銅製ならばまったく問題なさそうですね。ダイフレームによるダイ直冷と空冷クーラーというのも安価で良いのではないでしょうか。

EKの水冷ブロックは液体金属に反応するか

はじめに

CPUを殻割し、IHSとダイの間に液体金属を使う手法はメジャーになってきましたが、クーラーとCPUの間はクーラー側が液体金属に反応するかどうか不明で、またCPU側も表面に液体金属を塗ることで外した後に表面研磨による印刷面の剝れなどを気にして、通常のグリスを使用する場合が多いのですが、今回は水冷ブロックが液体金属に影響を及ぼすかどうかテストしました。

液体ブロックを外してみたところ

あらかじめ水冷ブロックに液体金属を塗布したあと、CPUに装着しストレステストを行った後、外してみました。

状態を見る限り綺麗な状態を保たれていました。数日経過なので確実とは言えませんが、現状では影響は出ていないと思われます。

液体金属部分をふき取ってみる

液体金属部分をFlitzPolishを少量塗布しふき取るようにしました。

綺麗に艶が出て元に戻りました。銅製の場合はコーティングに影響も出る場合がありますが、この状態であると再利用もできると思います。

IHSとダイの間に液体金属を塗布して温度低下をさせる例は多くありますが、水冷ブロックの素材がはっきりしない場合もあるので、IHS間と水冷ブロックに液体金属を塗布する例はそんなに多くありません。

グリスで済ます方も多いと思われますが、タレや溶けがなければ同じように液体金属を塗布したほうが冷却能力は向上しますので検討中の方はいると思います。今回は実験的にどうなるか確認の意味もこめてテストしました。

液体金属と簡易水冷

殻割した後に、液体金属を塗布してからIHSを元に戻す手法が増えてきました。
これはダイもIHSも液体金属による金属への影響が少ないということですが、一部の金属を溶かす性質があることから、使用している簡易水冷を含む水冷ブロックへの影響を心配してIHSとクーラーの間はグリス使用が多いのも事実です。

そこでどの程度影響があるのか、テストしてみました。

テストで使用したのは2012年に発売された

KUHLER-H2O-620という製品

https://kakaku.com/item/K0000234280/spec/#tab

ウォーターブロックには銅と書かれているため、テストに採用しました。
今回はIHSではなく、ダイに液体金属を塗布し直接水冷ブロックを装着しました。

ではその後の状態を確認します。

ROCKITCOOLJAPAN SHOP

見る限り液体金属による反応はなさそうでした

ここで表面をきれいにするためにFlitzPolishを使いました。

表面の色は少し薄くなりましたが、綺麗になりました。
再利用も可能でしょう。

銅製のブロックの明記があれば液体金属をクーラー側にも塗れることがわかります。周りへの影響ですが液体の垂れもなくマザーボードへの影響もありませんでした。